2019年度 詩歌と和歌

Category和歌や詩歌


風渡る

ゼフュロスの花

摘みとりて

空に吹かば

彼方知らせむ

【意訳】
『東風吹かば~』返歌。

ゼフュロスの風に春を知りましたので、花を摘みとり風にのせて遠いところの私の主へ手紙を書きましょう。 




まどろみに

かすかきこえし

母の声

ゆめうつつにも

切なに恋し

byJinju



琴ひきの

すり鳴る絹の

合わせにも

弾く指の音

夜艶に奏でし

byJinju 


弓線の

弾き鳴る夜の

鳥の声

掠れ響けど

絶ゆることなし

byJinju 



くちなしの

滴る蜜の

垂れ落ちに

朝露に咲く

君香りけり

byJinju





タイトル
『輪廻の花』

浄土の花ロータスの

水面を滑る天女(鳳凰)たち

水の飛沫を衣にまとい

瑠璃の調べに空を舞う

弾ける雫に選ばれた

種に転生のお告げあり

極楽の地に留まらず

輪廻の宿命絶えずに回る

魂の救済にみ仏は

五つの言葉を花に乗せ

来世の空へと送り出す





タイトル
『ふるさと』

盛夏の空の下に青々とした稲の海。
8月の熱した夏風が稲穂の海を渡り来て波のように揺らす。

稲海の………、その青き稲海の波を撫で、私はひとり佇んでいる。

少女から娘へと変わる時の、私のふるさとの記憶。

私らしさがそこにあるなら帰りたい。
懐の、その懐の……。

貴方のその無言の揺りかごに揺らされて私の言葉がこだまする、あの懐に。

許されるものなら帰りたい。
胎内の、その胎内の……。

ただただ無言と静寂に包まれて、貴方の鼓動を感じるだけの孤独な空間に。




タイトル
『獣』

超絶技巧を極めれば

行き着く先は

無臭の美しさ

そんな世界に住みたいかい?

東の仙人が問いかける

そんな世界に行きたいかい?

西の賢者が問いかける

私は獣の育ちゆえ

しみついた臭いは消えませぬ

獣は花の蜜を嗅ぎ

獣は鳥の声を聴き

獣は他肉を貪ります

獣は獣の道を知り

決して王道に住みきれない

ヒトの道を歩むにも

獣の道を歩むにも

行き着く先は彼の山頂

ただ道端で

得るものが違うだけ

失うものが違うだけ

無臭の美の頂に 

着けばそには留まらず

直ぐに下山するが良し

それが獣の性なのです



タイトル
『虚無』

雨ばしる

天より滴る
水しずく
熱こもる土
立つ陽炎

ひとり行く
夕凪どきの
紅の
雲間にうつる
彼の幻影

掴みたくも
空を掻き
繋ぎたくも
虚を描く
来れるならば来てみよと
地図なき道を指し示す




タイトル
『傾城の華』

傾城の花盛りなる宵の歌
古琴の調べに酔い夢みし
弾む指の麗しきこと
沁みゆく声のいとおしこと
貴方の名をくちずさむ
許されざることを秘めはからう
紅に咲くロータス
血のようなロータス
煉獄の華に憑かれ
瓦礫と化す黄金の城


一国に名を馳せゆくは妖麗女
姿まみえぬ浮き立つ語り
人魚に似たる美しき声
天女に見えゆ艶な黒髪
貴方の名をくちずさむ
罪悪の甘き蜜に溺れ死ぬ
紅に咲くロータス
血のようなロータス
修羅の化身に憑かれ
恍惚の美は破滅の罠




タイトル
『Lovesong』

長く遠い日々をこえて
夢みたものは裏切りと
一夜に芽吹く新たな命
抱き締めて絶つ運命の鎖

何万と惨憺たる月日を経て
夢みたものに全てを託し
一夜で最後と別れる涙
抱き締めて絶つ因縁の絆

かおりたつLovesong
ふりそそぐLovesong
優しく貴方を包むように
深く貴方を抱くように


哀しみと絶望の日々を終え
夢みたものが花開く
永久の離別も希望の光
抱き締めて絶つ宿命の結糸

何万と残酷なる月日に消えて
夢みたものも明日への扉
永遠の枷と過去との決別
抱き締めて絶つ唯一の灯火

かおりたつLovesong
ふりそそぐLovesong
優しく貴方を包むように
深く貴方を抱くように



タイトル
『LOVE LETTER』

大鷲に抱かれて
私は大空に飛び立った
あの閃光の根源に触れるため
啓示による震撼を身に帯びて
貴方のいる上空へと旅立つ時
疑問も苦悩も全てが光に包まれた
内なる嵐を抑えきれず
今にも体から強風が吹き出そう
大鷲よ
冴えた蒼に輝き放つ黄金のもとへ
私を魂ごと連れていって


大鷲に抱かれて
私は上空へ舞い上がった 
耳にささやくリフレインに
心が囚われて囚われて
神の奏でる音源が流れる時
怒りも悲しみも全てが無に帰した
内なる雨が降り止まず
今にも目から涙があふれでそう
大鷲よ
滾る血に沁みて命が砕けないように
私を魂ごと連れていって


大鷲に抱かれて
私は宇宙(そら)に消え去った
舞い散る欠片の煌めきに
帰還の道が開かれて
赤く青く白くそれらが継がれる時
喜びと慈しみが満たし乱れ咲く
内なる太陽が照り輝き
今にも顔から笑みがこぼれでそう
大鷲よ
輪廻転生の結晶が絆となるように
私を魂ごと連れていって




望月の

絹うつ音に

耳澄まし

ようようひたたく

拍子の変わりめ



望月の

絹の波間に

身を重ね

静か堕ちゆく

君を夢みし



望月の

絹の音色の

花開き

彩か光に

君を夢みし



清か夜に

珠光る月

手に降りて

安らかに咲く

君を夢みし




タイトル
『fairy tale』

薄紅の小さなリボンの花が
芽吹くあの頃に
望みを託した約束を胸に秘めて
ただ歩いてみたい
渡る風に
桜の舞が彩られて
過去の幻影を抱きしめましょう

青い空にあたたかい南風が
吹くあの時の
さ迷い浮いたこころを白雲に染めて
ただ眺めていたい
石碑のように
永久(とわ)の刻印とともに生き
今に息づく鼓動を歓びましょう

澄んだ空気に包まれた深緑が
色づくあの場所で
地についた足をワルツの調べに添い
ただ踊ってみたい
望月の影に
ささやかな幸せを集めて
少し先の未来を描いてみましょう

醒めた朝に照らすオレンジが
窓辺から差し込む部屋へ
微睡みの夢の淡い甘美に抱かれて
ただそこに在りたい
儚い結晶が
窓につたう雫になって
泡沫の言葉をしたためましょう




タイトル
『黒と白』

連立する黒煙の柱

あの地平線からあたまの死神が

多量の熱とガスと風に晒された魂を狩りに来る 

黒い衣が絶え間なく降りてくる

あれがあなたの故郷

そんな現実を誰が受け入れきれよう…

可哀想な地

ウンマの民をこれ以上泣かせるな

ああ………
騙された、騙された
紳士を気取った白い悪魔に騙された

線を引かれて隔絶された罪深き罪

もう修復のしようもなく壊れた地

可哀想に……可哀想に……



タイトル
『キャンドル〜人魚たちの輪舞』
うつくしいひと
永遠の歌曲に生きて
業の炎を灯し続ける
まわるまわる
この体腐るまで
まわるまわる
この命尽きるまで

うつくしいひと
廻り廻りて常しえに絡む
呪縛の糸より運命を知る
まわるまわる
この体腐るまで
まわるまわる
この命尽きるまで

うつくしいひと
深海のごとく無音の心に
冷たくも熾烈な光を放つ
まわるまわる
この体腐るまで
まわるまわる
この命尽きるまで

まわるまわる
この青き海の底
まわるまわる
永久にまわる




タイトル
『母よ』

母よ
優しくある母よ
あなたの瞳に私が映る
甘えながら笑う私の影
手をさしのべて
手をさしのべて
二人で歩いたあの公園に
今年も桃色の桜が咲く
空よ風よ
私の声を母にとどけて
私は元気に生きてます
私は今日も笑っています

母よ
あたたかなる母よ
あなたの言葉に私の名前
微笑みながら返す私の声
足をならべて
足をならべて
二人で歩いた田舎の道に
今年も青々と稲が揺れる
空よ風よ
私の声を母にとどけて
私は元気に生きてます
私は今日も笑っています

母よ
明るくある母よ
あなたの肌につたわる脈
哀しみこらえた私の涙目
背をあわせて
背をあわせて
二人で歩いた紅葉の森が
今年も深く紅に染まる
空よ風よ
私の声を母にとどけて
私は元気に生きてます
私は今日も笑っています

母よ
想い深き母よ
あなたが褒めてくれた詩を
泣きながら歌う私の心
肩をならべて
肩をならべて
二人で歩いた街の陰りに
今年も彩りのライトが灯る
空よ風よ
私の声を母にとどけて
私は元気に生きてます
私は今日も歌っています


タイトル
『…with your lies』

華を枯らし夏が凍えてく
世闇(よやみ)の死神が孤独を運ぶ
泣いて泣いて長い夜を流してた
会いたいと願う気持ちが
愛しいと想う心が叶わない
『最後の恋だから』と
貴方の瞳が微笑んでる
嘘つき詐欺師
耳に囁くリフレイン
貴方の言葉で優しく殺して
貴方の言葉で愛を殺して
ああ………

断絶された手と手
触れあうことを許されず
ただ言の葉に託して
交わす暗号
初めて愛した人
貴方ひとり
祈るように求めるほど
掌から零れてく
何かが壊れてく

昼下がりの窓辺にうつろう影
弄ぶのも虚しく響く音に
言葉にならないものを重ねてた
同じになりたい気持ちが
一緒に生きたい心が叶わない
『愛してるとは言えない』と
貴方の横顔がため息をつく
愛しい詐欺師
耳に残るリフレイン
貴方の嘘で優しく殺して
貴方の嘘で私を殺して
ああ………



タイトル
『Treasure〜祈りのカノン』

晴れわたる光に
まとわれ佇む貴方の影
夢にあらわれ微笑みかける
目覚めても残る残像に

触れることさえできない
今日も明日も
もしも願いが叶うならこの命ささげて

生きる歓び与えてくれたひと
明日へむかう勇気と力をくれたひと
哀しみと寂しさがおしよせても
いつも私をつつみこむ
やさしい手にいだかれて眠りにつく幸せが
ずっと永遠にかわらないように
朝焼けの窓辺で祈ってた

同じ時と景色をともに過ごして
そばにいれると信じていたのに

命儚く消えうせてしまっても
いまも貴方のこと
愛してる

あけくれた日々は過去
これからを生きてゆく














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