彩りの手刺繍人

魔法のガラス

魔法のガラス

場所は確か、彼の四王寺。山のてっぺんでの出来事。四王寺ったぁ、うちんがたの山とは勝手が違う。お弁当食べてお菓子食べて、これから長距離下山ってー大仕事のときに、やっちまったんだ。哀れ。お弁当やお菓子で口腔内は砂漠地帯な私は、オアシスに沈む破片をみて絶望した(してない)。センセーは困った顔したけど、直ぐに別のオアシスから水を戴くようにすすめてくれた。閉じられた水筒をふってみたらシャンシャンシャンシャラシ...

ピエニータ

ピエニータ

目が覚めた。私は白いシーツが張ったベッドに横たわっていた。いつの間にかねむっていたんだ……。霞む視界がやがて鮮明にうつる天井には、無機質な蛍光灯の明かりがついていた。午後3時42分。今日でちょうど1ヶ月が経つ。ここに送られてきた初日は、混乱する思考を止めて、ただ現状を受け入れるしかなかった。いまは外の世界から完璧に隔離された場所に私は居る。ここに長くいては駄目だ。しかし今の私は発言すること全てを信じて...

x と y

x と y

私はy軸に建設する人間でなく、x軸に開拓する人間であると、その知人に説明したかったが、とっても面倒なので黙って笑うしかない。いつまでたっても土臭いのはそのせいである。当たり前。20代前半から腹這い人生は始まってる。0点から同時スタートした者たちに私がいたが、ほとんどの作家は+yに上昇しようとする。ところが私ときたら、動く範囲は±xだった。x軸に生きる私は円形を描いて不定間隔で回転する点のようなものなので、大...